雲上の女神 100コロナ金貨

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日本ではよく目にするヨーロッパコインの一つです。また、日本では非常に人気のあるコインで1枚はもっておきたいと
表面はフランツ・ヨーゼフ1世、裏面は雲の上の女神、モデルとなったのは皇后のエリザベートとも言われています。
フランツ・ヨーゼフ1世在位60周年を記念して発行された金貨となります。


*ヘリテージオークションの画像を借用

フランツ・ヨーゼフ1世はハプスブルク家末期の財政状態も厳しい中、オーストリア帝国のために全てを捧げたオーストリアでは今でも人気の国王です。また、エリザベートも国民からシシィと呼ばれ、人気があり、ウィーンにはシシィ博物館があり、人気の観光スポットとなっています。


*Wikipediaより

発行枚数は16,000枚と多いですが、状態のよいものが発行枚数と比較し少ないと言えます。
プルーフとしての発行はなく、全てMS発行であると言われており、MSの中で綺麗な状態のものをプルーフとして鑑定会社が認定しております。

MSの鑑定枚数

プルーフの鑑定枚数

最近はNGCのプルーフの鑑定枚数が増えましたが、この1つの原因はPCGSのMSのスラブを割りNGCにプルーフとして再鑑定を出しているためです。
このコインをPCGSはプルーフとして鑑定することが少ないため、MSとして戻ってくることが多くなります。ただし、NGCはプルーフとして認定される確率が高く、PCGSのMSのスラブを割りNGCにプルーフとして鑑定に出したためNGCのプルーフの鑑定枚数が増えてきました。

そのため下記のようなマジックが起きることがあります。
例:PCGS MS61 →NGC PF61又はPF61CAM
PCGS MS62 →NGC PF62又はPF62CAM
*ただし、必ずしも上記の結果となるものではなく、コインの状態によります。

そのため直近ではプルーフの鑑定の増加が鈍っており、相当数のPCGSのMSがNGCのプルーフに変わったことから落ち着いてきていると推測できます。

海外のオークション価格を見てみます。

NGCのMS61とPF61の価格が同じ価格(赤枠)になっています。また、PCGS MS62の価格とNGC PF62の価格差(青枠:NGC PF62 208万円-169万円)も40万円程とリスク(*)を考えると妥当な価格に落ち着いてきていると思います。
*この場合のリスクとはスラブを割った際にコインを傷つけてしまうリスク、NGCに出した場合にプルーフとならずにMSと判定されてしまうリスク、PCGSの鑑定で気づかなかった点がありDetails(つまり数字がつかない)となってしまうリスクがあります。

また、注意すべき点としてはNGCのMS61のコインの状態には非常にバラつきがあり、AU55~58レベルのもあれば正当にMS61と評価されているものもあります。そのためNGC MS61は数字だけで購入しないことをお勧めいたします。

雲上の女神は海外で保有していた方が価格上昇した際に売りに出し現在そのコインが市場に出回ったため価格が落ち着きました。踊り場ではありますが、大型金貨が市場から消えつつある中、雲上の女神は今までのような価格上昇は見込めませんが、コツコツと再上昇していくコインと市場は見ております。