預金封鎖は起きません!!

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2021年11月1日
よく不安を煽り、アンティークコインを販売しようとする業者がいます。

都市伝説やフリーメーソンの話が好きな人向けには、もしかしますと有効かもしれません。

預金封鎖を語っている、その人の話は、果たして信用できるコイン商でしょうか?

例えば、日本の有力者と話をして聞いているのかもしれませんが、その人の個人的見解や趣向、そして、その人もおそらく伝聞で物事をお話されていることが多いかと思います。

物事の判断は、いかに自分が足をつかって、現場を見るか、そして、きちんとした知識に基づき話をしているかということになります。

ここから、難しい話となりますが、少し我慢してお付き合いください。

さて、最初に預金封鎖はないと申し上げましたが、日本ではまず起きないでしょう。

学校の授業で勉強されたことがあるかと思いますが、日本国憲法は、昭和22年5月3日に施行され、天皇は、日本国の象徴であり、日本国統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく、となっております。

では、日本国憲法の前の憲法である、大日本帝国憲法はどうだったでしょう。

大日本帝国憲法は、第4条で「天皇を天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」となっており、天皇が元首であり、国民は、天皇の民とされ、臣民でした。そのため、権利や自由は、法律の範囲内において保障されていたものです。

そして、当時の財産没収は、正当のものであり、別段驚くことでもありません。

大日本帝国憲法第31条第2章第27条1項には、「日本臣民ハ其ノ所有権ヲ侵サルヽコトナシ」と記載され、2項には、「公益ノ為必要ナル処分ハ法律ノ定ムル所ニ依ル」となっております。

そして、第31条には、「本章ニ掲ケタル条規ハ戦時又ハ国家事変ノ場合ニ於テ天皇大権ノ施行ヲ妨クルコトナシ」とあります。

つまり、当時は、まだ、戦時と国家事変として認識できるギリギリの時期であり、また、日本国憲法で国民の権利が保障される前の大日本帝国憲法の時に、法律に基づき、勅令で預金封鎖を行ったものです。

次の臨時会をすぐに開会し、法律に基づき、財産権を侵害してもいいにも関わらず、簡易に済ますことができる、そして、即実行性のある、勅令が出たのは、不思議ですね~

第89回帝国議会(臨時)が昭和20年12月18日終了し、その後、次の通常会は、昭和21年12月28日となっておりました。そのため、臨時会が開かれず、通常会での審議となった場合、日本国憲法が公布されているため、臣民の権利を制限することがほぼ不可能となってしまうのです。

 

~憲法改正の一部の流れ~

総司令部案:昭和21年2月13日

総司令部は、日本側が提出した憲法改正要綱を全面的に拒否。そして、総司令部案を日本側に交付。

「主権を国民に置くこと」の方向性が確実になったのがこの日です。

緊急勅令交付・施行:昭和21年2月17日

日本国憲法公布日:昭和21年11月3日

日本国憲法施行日:昭和22年5月3日

そうです、2月13日に天皇主権を拒否されたため、急いでその前に国民の財産権を侵害しなければならなかったのです。

天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由り帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス

日本国憲法が施行される前に行った極めて巧妙な最後の手段を使ったのです。非常に頭がよく、そして、巧妙でした。この時期に大日本帝国憲法をきちんと理解していた臣民はほとんどいないのではないかとみております。

なぜ、現在、預金封鎖はできないのか。

日本国憲法は、財産権を保障しており、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」、と記載されています。

ただし、方策は、ないわけではありません。

今後、財産権を侵害するためには、下記の2点が起きる可能性があります。

 

① 新円になった場合、旧通貨を使用できなくする

    • 2世代前の旧札については、既に知らない人も多くなりつつあり、今後、管理などの費用を考えるとコスト削減という観点から旧札の有効性をなくしたほうが良い
    • 旧札を使用できなくすることによりタンス預金や脱税資金があぶり出され、それが税務署にわかり、追徴課税により税収増
    • 今まで表に出てこなかったその現金が、使用されることにより日本の個人消費が伸び、GDPの成長率がおそらく数%伸びます。

②次回の憲法改正時に財産権の箇所を変更

財産権の「正当な補償」という箇所をしれっと削除する可能性あり。

自民党、維新の会が主導し、憲法改正を行う際に、自衛隊の事項について、変更すると思わせ、財産権の箇所から目をそらせ変更する可能性があるとみております。

基礎の大日本帝国憲法や、日本国憲法を理解せずに財産没収について語られている方が多くいるように思えます。

是非、今回のブログでなるほど!と思っていただければ、嬉しい限りです!

ただの伝聞で煽っているのか、そうでないのか、是非、色々な角度から質問し信頼できるディーラーか否か見極めてください。